「科学する野球」中心衝突に決着をつける①-遠めの球は左中間へ打つ


2021年2月22日 8:37 PM

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遠めの球は左中間,近めの球は右中間,真ん中の球はセンター方向へ打つ(右打者)

 「科学する野球」の中心衝突の理論は,バットでボールを打つ動作をトンカチでクギを打つ動作に置き換えて説明されています.投球線(球道)はクギにあたるので,球道はクギのように真っ直ぐでなければなりません.

 したがって,中心衝突の対象となる球道は,広義では速球系のボール(4シーム,2シーム,シンカー,カッター),厳密にいえば4シームのみとなります

 スロー系(SFF,チェンジアップ,フォーク,スクリューボール),変化系(スライダー,カーブ,ナックルカーブ,スローカーブ,ナックル,スローボール)は,クギの球道にはならないため,中心衝突の対象外となります.

引用元:科学する野球・ドリル篇,p.161,図⑤,㋑,㋺,㋩

バットを肩と平行にしてボールと中心衝突させると,右打者の打球は,
(イ)遠めの球は左中間
(ロ)近めの球は右中間
(ハ)真ん中の球はセンター
の方向に飛ぶのが原則(図⑤ – ㋑,㋺,㋩)

図⑥の㋑のように,遠めの球を流し打ったり,㋺のように,近めの球を引っ張ると偏心衝突を起こす.

引用元:科学する野球・ドリル篇,pp.160-161

遠め(外角)の球は左中間へ打つ(右打者)

 右打者に遠めのボールを投げるとき,プレートとホームプレート(ホームベース)を結ぶ線と投球線(球道)との角度が最大になるのは,次の二通りです.

  1. 右投手がプレートの右端を踏んで外角に投げる.
  2. 左投手がプレートの左端を踏んで外角に投げる.

 角度が最小になるのは,次の二通りです.

  1. 右投手がプレートの左端を踏んで外角に投げる.
  2. 左投手がプレートの右端を踏んで外角に投げる.

遠め(外角)の球で角度が最大

①右投手がプレートの右端を踏んで外角に投げる

球種:4シーム コース:外角高め
引用元:ベースボール・サバント

②左投手がプレートの左端を踏んで外角に投げる

球種:4シーム コース:外角真ん中
引用元:ベースボール・サバント

遠め(外角)の球で角度が最小

③右投手がプレートの左端を踏んで外角に投げる

球種:4シーム コース:外角高め
引用元:ベースボール・サバント

④左投手がプレートの右端を踏んで外角に投げる

球種:4シーム コース:外角低め
引用元:ベースボール・サバント
遠めの球は左中間へ打つ(右打者)
引用元:科学する野球・ドリル篇,p.161,図⑤,㋑

右打者が遠めの球を打つときの投球線(球道)

  • 右投手では「①右投手がプレートの右端を踏んで外角に投げる」ときの球道と「③右投手がプレートの左端を踏んで外角に投げる」ときの球道を挟む範囲となる
  • 左投手では「②左投手がプレートの左端を踏んで外角に投げる」ときの球道と「④左投手がプレートの右端を踏んで外角に投げる」ときの球道を挟む範囲となる
  • 図⑤-㋑の球道は右投手の球道の一部で,左投手の球道が描かれていない

遠め(外角)の球で角度が最大になるとき,中心衝突させると打球はどこに飛ぶか

 右投手がプレートの右端を踏んで,外角に投げるときに、最も投球の角度がつきます.この球道という釘を打ち込むためには,ボールが来た方向に打ち返さなければなりません.

 このとき,打球線(弾道)とバット(トンカチの柄),両肩を結ぶ線との角度は90°になります.これが村上氏の中心衝突の理論です.

 では,この中心衝突で打ち返される打球の方向はどこになるでしょうか.村上理論では「遠め(外角)の球は左中間へ打ち返す」とされています.

 しかし,もし左中間に中心衝突で打ち返すとすれば,上から見たときの投球線(球道)と打球線(弾道)は一致するので,左中間方向から打者にボールが投げられなければなりません

 マウンドを3塁側に移動でもしない限り,投手は左中間方向からボールを投げることができないので,中心衝突で遠め(外角)の球を左中間へ打ち返すことができないことがわかります.

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