2020年12月8日 12:09 AM
「科学する野球」バットに関する記載
「科学する野球」で木製バットについて記載されている部分を引用します.
木製バットの選び方

バットには竹製バットなどもありましたが,いま使われているバットは金属製バットと木製バットですが,わけても木製バットについてはどれほどの関心を持たれているでしょうか.
引用元:科学する野球・打撃篇
テッド・ウイリアムズ著の『バッティングのサイエンス』を読みますと,彼は木目がこまかいバットを注文したと述べています.このような大打者がこういえば,木製バットは木目がこまかいのがいいのだなと思われるのも無理はないと思います.
しかし,写真8を見ていただくとわかる通り,年輪のつまっている部分(木目のこまかい部分)は,材木の中心に近い年輪の粗い部分より年を経ていますから,材質としては老齢で反撥力が弱いのです.人間と同じで木目の粗い部分は若くて粘りもありますが,木目の細かい部分は老けており折れやすいのです.
ですから木製のバットを選ぶには,木目は粗く,まっすぐ通っており,バットの先とグリップ・エンドの間に節目がないものを選ばなければなりません.
テッド・ウイリアムズは木目がこまかいバットを注文していたそうですが,木目のこまかい部分は老齢で反発力が弱く折れやすいため,木目の粗い若い部分を選ぶのがよいとのことです.
木製バットの手入れ
ところで,木製バットの反撥力に非常に影響を与えるのは湿気です.
引用元:科学する野球・打撃篇
湿気を防ぐためには,乾燥した部屋にバットをいれておかねばなりません.バットケースに入れたままにしておいてはいけません.バットケースに入れて持ち運びする時は,乾燥剤を入れておくといった配慮が必要です.
特に雨中のゲームでバットを濡らしたあとは,手入れを十分に行わなければなりません.その手入れは,バットをアルコールで拭き,バットについた泥やゴミを落としたあと,十分に乾燥させます.そのあと牛の骨でバットをこすっておきます.こういったバットの手入れは雨のあとだけでなく,毎晩行ったとテッド・ウイリアムズ 氏は述べています.
少し前の話ですが,某大学の選手がサイクルヒットを打った時,「バットを大切にすれば,バットに血が通い,打てるようになる」との考えから,試合用の木製バット二本を抱いて寝ていると話したことが美談めいて報道されたことがありました.
これは考えてみますと,実に非科学的な話です.バットを抱いて寝れば,バットは自分の体から蒸発する水分で湿気ますので,バットの反撥力は落ちるのですから,バットを大切にしたい気持ちはわかりますが非科学的なことはしてはなりません.
木製バットは湿気を帯びると反発力が落ちるため,乾燥させておくことが必要です.
バットの重さ
さて,バットの重さについてはどうなのでしょうか.
引用元:科学する野球・打撃篇
投手が投げた球の力と対決するバット(運動体)の力(f)は,f=m×a の公式から,バットの質量(m)と加速度(a)の相乗積を大きくすればするほど大きくなることがわかります.
そこで,バットは重いほうがベターではありますが,筋力がそれに伴わないと,かえって加速度を落としてしまい,結果的には(f)を小さくしてしまうことになります.
ですから,バットマンはその時の肉体状況に応じて,振りやすいバットを使用するのがよいということになりますから,シーズンに入る前に何本もバットを買って乾燥させておき,試合にはその中から振りやすいバット二,三本を選んで持って行くのがよいと思います.
バットのm(質量)が大きくなるとf(力)は大きくなりますが,バットが重くなるとa(加速度)が小さくなるため,f(力)が小さくなる可能性があります.f(力)が最大になるバットを選ぶ必要があります.
「科学する野球」の木製バットに対する諸注意は次のとおりです.
- 木製のバットを選ぶには,木目は粗く,まっすぐ通っており,バットの先とグリップ・エンドの間に節目がないものを選ばなければない.
- 湿気を防ぐためには,乾燥した部屋にバットをいれておかねばならない.バットケースに入れたままにしておいてはいけない.
- バットケースに入れて持ち運びする時は,乾燥剤を入れておくといった配慮が必要.
- 雨中のゲームでバットを濡らしたあとは,バットをアルコールで拭き,バットについた泥やゴミを落としたあと,十分に乾燥させ,そのあと牛の骨でバットをこすっておく.
- f=m×a の公式から,バットマンはその時の肉体状況に応じて,振りやすいバットを使用するのがよい.