2021年12月11日 11:54 AM
「空手打法」は,次の記事でも解説していますので,興味のある方はご覧ください.
- 「科学する野球」「空手打法」の根拠
- 「空手打法」のバットの握り方-フックグリップで握る
- 「科学する野球」で使われているゴルフ用語-混乱を招く一因
- 「空手打法」で打つにはどうすればよいのか?
ボトムハンドは空手で握らなくてもよい

トップハンド(構えで上にくる手)は掌屈(手の平側に曲げる)する

ボトムハンド(構えで下にくる手)は背屈(手の甲側に曲げる)する。
「科学する野球」の「空手打法」の握り方である「フック・グリップ」を再度とりあげます.
「空手打法」では,バットの真ん中の木目と手(指を除く)が平行になるように握らないと、トンカチで釘(球道)を打つようにボールを強打できません.
「科学する野球」では、空手打法を行うためには,ゴルフ用語のフックグリップで握ると説明されています.
上図のようにゴルフの構えでは,ゴルフクラブと同じようにフック・グリップでバットを握ることは可能です.
しかし,このグリップを崩さないまま野球でバットを構えると,トップハンドはフック・グリップで握ることができても,ボトムハンドはフック・グリップで握ることができません.
野球ではフライングエルボーで構えるので,トップハンドは板目と平行に握ることができますが,ボトムハンドは板目と平行に握ることができないということです.
もし,ボトムハンドをフック・グリップで握ろうとすれば,ボトムハンド側の肘を捕手側に近づけなければなりませんが,いくら近付けてもフック・グリップにはなりません.非常に窮屈な構えになり,フライングエルボーが崩れてしまいます.
ですから,柾目で打つ(空手で打つ)ためには,ボトムハンドではなく,トップハンド(構えたときに上側にくる)を板目と平行に握ることが必要になります.
トップハンドを巻き込むように握る必要はない
ハンク・アーロンのグリップ
フック・グリップというゴルフ用語を使うとどうしてもわかりにくくなる部分があるため,ここからはなるべくゴルフ用語なしで説明します.

引用元:https://tomahawktake.com/2020/04/26/atlanta-braves-top-outfielder-hank-aaron/
ハンク・アーロン選手のグリップには次の特徴があります.
- トップハンドがバットの板目と平行になっている(想定)
- ボトムハンドはバットの板目と平行になっていない
- トップハンドが掌屈(手の平側に曲がる)して,巻き込むような握りになっている
ハンク・アーロン選手のトップハンドのグリップは,「科学する野球」の空手打法と同じ握りになります。つまり、「科学する野球」の「トップハンドをフック・グリップで握る」は,「板目と平行に握る」と「巻き込むように握る」の2つを含みます.
ケン・グリフィー・ジュニアのグリップ

引用元:https://thespun.com/more/mlb/ken-griffey-jr-names-toughest-pitcher-he-ever-faced
ケン・グリフィー・ジュニア選手のグリップには次の特徴があります.
- トップハンドがバットの板目と平行になっている(想定)
- ボトムハンドはバットの板目と平行になっていない
- トップハンドが少し背屈(手の甲側に曲がる)している
デビッド・オルティーズのグリップ

引用元:https://www.hitterish.com/single-post/how-to-grip-a-baseball-bat
デビット・オルティーズ選手のグリップには次の特徴があります.
- トップハンドがバットの板目と平行になっている(想定)
- ボトムハンドはバットの板目と平行になっていない
- トップハンドが掌屈(手の平側に曲がる)も背屈(手の甲側に曲がる)もしておらず,手と前腕がまっすぐになっている
アーロン,グリフィー,オルティーズ3選手は,トップハンドをバットの板目と平行に握っていると仮定します.そうすると,ボトムハンドは3選手ともバットの板目と平行に握っていないことがわかります.
インパクト後,ボールを押し込むのは後ろ腕で,前腕はボールをコンタクトする舵取りの役割を担っていると考えられるため,ボトムハンドは持ちやすいように握ってよいことになります.
トップハンドは,掌屈して巻き込むように握るアーロン選手,背屈して握るグリフィー選手,掌屈も背屈もせずに握るオルティーズ選手というように三者三様です.
重要なのはインパクトのときにトップハンドがバットの板目と平行になっているか,スイングの軌道がバットの真ん中の板目と一致しているかということです.なぜならボールを強打できないからです.
つまり,トップハンドをバットの板目と平行に握ることができていれば,インパクトでボールを強打することが可能になるので,トップハンドは巻き込むように握っても,どのように握っても構わないということです.
アーロン選手のように巻き込むように握ってもよいし,グリフィー,オルティーズ選手のように握ってもよいし,打者が握りやすいように握ればよいということになります.
簡単にいうと,空手打法とは「トップハンドをスイングの軌道に合わせて打つ打法」です.スイングの軌道に合わせるとは,トップハンドとバットの真ん中の板目を平行にすることです.
アップスイングであれば,トップハンドは少し上向きになります.ボトムハンドはどのように握っても構いません.
これが「科学する野球」の空手打法とは何かという問いに対する最終回答となります.