柳田悠岐選手の打撃理論①-V字スイングと中心衝突


2022年1月15日 11:41 PM

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柳田悠岐選手の打撃理論-V字スイング

 qooninTV の「柳田悠岐選手「クソ飛びする」V字スイング理論!ホームラン量産の極意」という動画のなかで,柳田選手が語っている打撃理論について解説します.

柳田悠岐選手「クソ飛びする」V字スイング理論!ホームラン量産の極意 2017/12/22
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=k9QPAeF_go4

 V字スイングはVの左半分の「ダウンスイング」の部分とVの右半分の「アッパースイング」の部分に分かれます.

V字のダウンスイングの部分

 インタビューの中から,V字のダウンスイングの部分を取り出します.

クーニン

スイングの軌道とかは,アッパースイングでいこうとか,そういったのはありますか?

柳田悠岐

アッパーとかじゃないんですけど,縦振りっすね.横振りにならないように.
こう(横振り)振ったら飛ばないんで縦振りっすね.ダウンスイングからアッパーです.
こういう感じです.V字っすね.

あとは,このV字スイングの軌道のなかで,ヘッドができるだけ下がらないように.
これも多分結構みんな多分言うと思うんですけど,ここがどんだけこういういい形で当たっているかというのもすごい大事だと思います.

この当たっている形で結構結果って決まると思うんで.ホームランになるか,ここはすごい大事だと思う.ヘッドを立たせる.

 このインタビューのなかで柳田選手が言っていることは,次の2点です.

  • ダウンスイングからアッパースイングして,V字スイングの軌道をつくる
  • ダウンスイングでバットを縦振りして,ヘッドが下がらないようにする

    ※ 「縦振り」については,次の記事の「柳田悠岐選手の打撃理論②-センター方向に打つ打球が理想の打球」でも解説しています.

 この記事を読んで,V字スイングを実践するために,最初はダウンスイングから入らなければいけない思った方がいるかもしれませんが,柳田選手のスイングを確認すると,最初の入りはダウンスイングになっていません.

 では,なぜ縦振りしてバットを立てることを意識するのかというと,慣性モーメントを小さくするためであると考えられます.

 選手は感覚で発言していることが多いので,真に受けてダウンスイングから入らないよう注意が必要です.ダウンスイングすると偏心衝突を起こしていまいます.

 『「科学する野球」慣性モーメントを小さくする』でも説明していますが,慣性モーメントを小さくするためには,前腕とバットの作る角度を小さくしなければなりません.

 バットが寝てヘッドが下がると,この角度が大きくなり,慣性モーメントが大きくなるため,スイングスピードを加速することが難しくなります.

 ですから,ダウンスイングを特に意識する必要はなく,スイングの始動から前足が着地するまでにバットを投手側に傾けていくことが重要です.

スイングに入る前にバットを投手側に傾け,前腕とバットの作る角度を小さくしている落合博満選手
回転半径が小さくなるので,慣性モーメントを小さくなり,スイングの回転速度を高めることができる
引用元:科学する野球・実技篇 p.45

V字のアッパースイングの部分

 インタビューの中から,V字のアッパースイングの部分を取り出します.

クーニン

特に参考にされたバッターはいらっしゃるんですか?

柳田悠岐

参考にしてるバッター結構いるんすけどね.結構メジャーリーガーとか見るんで.バリー・ボンズ.最短でヘッドを立たせてバーンって打った後,ステイバックするじゃないですか.そういうのを結構見てマネしました.最近はこいつ.

クーニン

ベリンジャーですか?

柳田悠岐

ベリンジャー.

クーニン

ベリンジャーは確かに似てるかもしれないですね.

柳田悠岐

ベリンジャーもやっぱ,まあ一緒ですよね.打ってステイバックする.ステイバックできるというのは多分いいスイングできてるのかと思って.

やっぱ,結構打ってすぐ走りたいとかなるじゃないですか,バッターって.それはもう絶対やんないようにというか.走り打ちはしないというか.

  V字スイングのアッパースイングの部分は,「人」の形で打つ動作を表します.柳田選手はバリー・ボンズ,コディ・ベリンジャー選手のステイバックを真似ることで,結果的に「人」の形で打っているようです.

 「人」の形で打つには,ステイバックするだけでは不十分で,ステップ脚の膝を伸ばして上体を後傾し,鋭く腰を回転する意識が必要となりますが,柳田選手の「タイミングが合えばもう勝手に腰は回る」という発言から,上体を後傾して鋭く腰を回してスイングしていることがうかがえます.

 「こう入っていって当たって戻る」の「こう入っていって」は,構えからバットを立てて慣性モーメントを小さくしながらバットを振り出していく動作(縦振り)を,「当たって戻る」は「人」の形で打っているので,インパクト後,体重が後ろ脚に戻る動作(ステイバック)を示しています.

 体重が後ろ脚に戻るといっても,前足の着地はステップに伴う前方移動にブレーキをかける役割を担っているので,前脚に体重が完全にシフトしているわけではありません.

 尚,柳田選手がアッパースイングといっているスイングは,正しくはアップスイングになります.人の形で打つと上体を後傾して打つので,アップスイングになり,球道とスイングの軌道が一致し,中心衝突で打つことが可能になります.

「人」の形で打つと前脚が残る

 上の引用から,再度ステイバックで打った後の部分を再度掲載します.

柳田悠岐

ベリンジャーもやっぱ,まあ一緒ですよね.打ってステイバックする.ステイバックできるというのは多分いいスイングできてるのかと思って.

やっぱ,結構打ってすぐ走りたいとかなるじゃないですか,バッターって.それはもう絶対やんないようにというか.走り打ちはしないというか.

 「やっぱ,結構打ってすぐ走りたいとかなるじゃないですか,バッターって.それはもう絶対やんないようにというか.走り打ちはしないというか」という発言は,「人」の形で打つと体重が後ろ脚にかかるため,前脚が残るということを意味しています.

 打ってすぐ走ろうとしても,体重が後ろの残るため走ることができませんから,走り打ちはせずに,「人」の形で打つことを優先して,打った後前脚を残すということをいっています.

チョ・ウォンビン選手
「人」の形で打っているため,体重が後ろ脚にかかり,前脚が残る体勢になる.
打ってすぐ走ることができないので,柳田選手の「走り打ちは絶対しない」という発言につながる.
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=aAD42KYikds
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