野球選手にボディビルダーの筋力は必要か-特異性の原則

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2020年8月2日 4:49 PM

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肉体改造を巡って賛否両論

大谷翔平の”キン肉マン化”は本当に間違っているのか?
2020/2/24(月) 7:12配信

 右肘のリハビリを終え、今季から二刀流復活が期待されるエンゼルスの大谷翔平(25)がムキムキの肉体でスプリングトレーニングに登場していることがファンの間で話題になっているが、球界の大御所、張本勲氏がTBS系列の「サンデーモーニング」内で、「あんな体を作っちゃダメ。プロレスじゃないんだから。ケガする」と発言。ウエートトレに批判的立場だったイチローの例も出てきて、その肉体改造を巡ってネット上でも賛否両論が巻き起こっている。

 張本勲氏の問題の発言は、大谷がノースリーブのシャツを着て、まるでポパイのようにムキムキになった肩、腕の筋肉を披露した映像を見たところで生まれた。「あんな体を作ってはダメ。プロレスじゃないんだから。野球に必要な体だけでいいんですよ

 さらに張本氏は、「ケガしますよ。体の大きい人は膝に負担がかかるから。まして人工芝。ケガが非常に多くなる。やってもそれ以上に走ればいいですよ。逆だもん。上半身ばっかり鍛えてもダメ」と、マッチョ化を断罪した理由を説明していた。

 ファンからの“ヤフコメ”での意見を見ていると、「すべて本人次第」「選手それぞれによって違う」「勝手な思い込みで決め付けてしまわない様に」「張さんの主張は大谷選手も十分分かってるだろう。今年は、この体づくりでチャレンジするって決めたのだから、その大谷選手を応援してあげましょう」といった批判的な声だけでなく「これだけは張本の言うことが正しいと思う」「ピッチャーでこの体では無理」という賛同の意見もあった。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/bc9e89e5aec460bde4bb84b6866b2ef45fe1e6ca
スプリングトレーニングで披露された大谷翔平の筋骨隆々とした肉体が話題に。
張本氏がTV番組で指摘した”キン肉マン化”は間違っているのか?(写真・アフロ)
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/bc9e89e5aec460bde4bb84b6866b2ef45fe1e6ca

 プロ野球選手がボディービルダーのような体を作るたびに,是か非かの議論が巻き起こるのが常となっています.そのような議論を交わす前に,トレーニングの原則の一つである特異性の原則について解説します.

特異性の原則

 ウエイトトレーニングについては,ダルビッシュ投手も一家言を持っているようです.野球選手の肉体改造に興味がある方のために,トレーニングの原則の一つである特異性の原則について説明します.複合トレーニングの効果は無視します.

 特異性の原則とは「ある種の運動能力を高めるにはそれと同類の運動でトレーニングするとよい」という原則です

実線:負荷が100%に近づくほど関節運動の速度は小さくなる
点線:パワー(力✕速度)は負荷が40%手前くらいで最大となる
引用元:小田伸午「運動科学 アスリートのサイエンス」丸善 2003 p.26 図Ⅰ-12

 実線は力-速度関係を表し,負荷が大きいほど関節運動の速度は小さくなります.たとえば,腕を曲げる肘関節の屈曲では負荷(力/最大筋力 %)が小さければ腕を曲げる速度(m/秒)は大きくなり,負荷が大きければ腕を曲げる速度は小さくなります.

 点線はパワー(力×速度)を表しています.ラグビーのスクラムや相撲の四つのように大きな力をじわーっとゆっくり出す力ゾーンの競技では力ゾーンのトレーニングが,砲丸投げのように負荷のかかった状態でスピードが要求されるパワーゾーンの競技ではパワーゾーンのトレーニングが適しています.

 投球動作がどのゾーンにあたるかといえば,ボールの重さは145グラムしかなく,鉛のボールを投げるわけではないので,どう考えても負荷の小さい運動になります

 つまり,スピードゾーンのトレーニングをするのがよく,ボールを投げること自体(シャドーピッチングも含む)がウエイトトレーニングとなります.

 腕を振る動作のなかにベンチプレスのようなじわーっと力を発揮する動作は含まれていないので,ベンチプレスを行っても腕を振るスピードを速くする直接的な効果はないことになります.

 打撃動作がどのゾーンにあたるかといえば,バットの重さは900グラムくらいですから,ある程度負荷がかかった状態でバットを速く振るということになります.

 鉛のバットを振るわけではありませんが不可は小さいとはいえないので,パワーゾーンにあたると考えられます.つまり,パワーゾーン(力とスピードの両方が要求される)のトレーニングをするのがよく,バットを振ること自体(素振りも含む)がウエイトトレーニングとなります.

 バットを振る動作のなかにベンチプレスのようなじわーっと力を発揮する動作は含まれていないので,ベンチプレスを行ってもバットを振るスピードを速くする直接的な効果はなことになります

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