右投げ左打ちの限界⑤-2000年以降,右投げ左打ちの選手はどのくらい増えているか

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首位打者の中に占める右投げ左打ちの割合は?

 右投げ左打ちの限界④-スラッガータイプと俊足好打タイプの役割分担で,日本の野球界で2000年頃から右投げ左打ちの選手が増加傾向にあると推測しました.

 2000年から2020年までの首位打者の投打別の人数と割合は次のとおりです.

セントラル・リーグ 首位打者 2000-2020
投打人数割合 %
右投右打1055.6
右投左打633.3
左投左打15.6
右投両打15.6
合計18
※小数点第二位四捨五入
※引用元:ウィキペディア
パシフィック・リーグ 首位打者 2000-2020
投打人数割合 %
右投右打317.6
右投左打1058.8
左投左打317.6
右投両打15.9
合計17
※小数点第二位四捨五入
※引用元:ウィキペディア

 セリーグに比べてパリーグの方が右投げ左打ちの打者の割合が大きくなっています

1999年以前と2000年以降のデータの比較

 右投げ左打ちの限界④-スラッガータイプと俊足好打タイプの役割分担で述べたように、右投げ左打ちの打者は2000年頃から次第に増加しているようです.

 2000年以降のデータを調べ,1999年までのデータと比較してみます.

割合 %

セントラル・リーグ 首位打者 右投左打の割合 1950-1999年と2000-2020年との比較
1950-19992000-2020
投打人数割合 %人数割合 %
右投右打2141.21055.6
右投左打1121.6633.3
左投左打1733.315.6
右投両打23.915.6
合計5118
※小数点第二位四捨五入
※引用元:ウィキペディア
パシフィック・リーグ 首位打者 右投左打の割合 1950-1999年と2000-2020年との比較
1950-19992000-2020
投打人数割合 %人数割合 %
右投右打2243.1317.6
右投左打1121.61058.8
左投左打1733.3317.6
右投両打12.015.9
合計5117
※小数点第二位四捨五入
※引用元:ウィキペディア

 2000年から2020年までに首位打者を獲得した選手のなかで,右投げ左打ちの打者が占める割合は,セリーグが33.3%,パリーグが58.8%となっています.

 1950年から2020年までの数字と比較すると,セリーグが27.7→33.3%(5.6%増加)パリーグが30.4→58.8%(28.4%増加)となります.

 セリーグでは,右投げ左打ちの打者が占める割合はそれほど増加していませんが,パリーグでは首位打者の60%近くを右投げ左打ちの選手が占めていることになります.

 元々,少年野球の指導者が勝利至上主義のために右投げ右打ちの選手を左打ちに変えたことが,右投げ左打ちの選手が量産された端緒になっているのですが,右投げ左打ちの選手が多いことが勝利に結びつくということであれば,右投げ左打ちの選手が多いパリーグがセリーグよりも強いといわれるのは,あながち間違ってはいないと考えられます.

最近の首位打者の傾向を読みとる

セントラル・リーグ 首位打者 2010-2020 ※赤字は右投げ左打ち
年度選手投打打率
2010青木 宣親右投左打.358
2011長野 久義右投右打.316
2012阿部 慎之助右投左打.340
2013トニ・ブランコ右投右打.333
2014マット・マートン右投右打.338
2015川端 慎吾右投左打.336
2016坂本 勇人右投右打.344
2017宮崎 敏郎右投右打.323
2018ダヤン・ビシエド右投右打.348
2019鈴木 誠也右投右打.335
2020佐野 恵太右投左打.328
太字は右投左打
※首位打者11人のうち,右投げ左打ちの選手が占める割合は36.4%
※引用元:ウィキペディア
パシフィック・リーグ 首位打者 2010-2020 ※赤字は右投げ左打ち
年度選手投打打率
2010西岡 剛右投両打.346
2011内川 聖一右投右打.338
2012角中 勝也右投左打.312
2013長谷川 勇也右投左打.341
2014糸井 嘉男右投左打.331
2015柳田 悠岐右投左打.363
2016角中 勝也右投左打.339
2017秋山 翔吾右投左打.322
2018柳田 悠岐右投左打.352
2019森 友哉右投左打.329
2020吉田 正尚右投左打.350
太字は右投左打
※首位打者9人のうち,右投げ左打ちの選手が占める割合は77.8%
※引用元:ウィキペディア

 2010年から2020年までに首位打者を獲得した選手のなかで,右投げ左打ちの打者が占める割合は,セリーグが36.4%,パリーグが77.8%となっています

 セリーグは,2000年から2020年までの33.3%から3.1%の微増で,1950年から2020年までの27.7%と比較しても僅か8.7%の増加に止まっています.

 パリーグは,1950年から2020年までの割合30.4%から77.8%に大幅に増加しており,2012年から9年連続で右投げ左打ちの選手が首位打者を獲得しています.

 活躍している右投げ左打ちの選手の数に開きがあることが,パリーグとセリーグの格差を生んでいるという見方もできます.

右投げ左打ちが増えると三冠王が出現しない

 今後も少年野球の指導者が,勝利至上主義のために右投げ左打ちの選手を量産し続ければ,右投げ左打ちの選手が首位打者のタイトル独占することになりかねません.

 そうなると,右投げ右打ち,左投げ左打ちの選手が本塁打と打点の二冠を達成しても,首位打者のタイトルを獲ることができないため,三冠王を達成できる可能性は非常に小さくなります

 ただし,セリーグはパリーグに比べて俊足巧打タイプの右投げ左打ちの選手が少ないようなので,現状ではセリーグのほうが三冠王を獲ることができる可能性が大きいといえます.

投打別のタイトルを獲得できる可能性
投打打率本塁打打点
右投右打
右投左打俊足好打タイプ
スラッガータイプ
左投左打
右投両打
※2004年の松中信彦選手(打率.358,本塁打44,打点120)
 を最後に三冠王は出ていない.
  • セリーグはパリーグに比べて首位打者のタイトルを獲っている右投げ左打ちの選手が少ないため,セリーグのほうが三冠王を獲ることができる可能性が大きい
  • 三冠王に最も近いのは,左投げ左打ちの打者,右投げ左打ちのスラッガータイプの打者の順となる
  • 右投げ右打ちは,本塁打と打点のタイトルを狙えるが,打率では右投げ左打ちに劣るため,首位打者を獲る可能性は小さい.
  • 右投げ左打ちのスラッガータイプは,首位打者を獲ることが可能.長打力では右投げ右打ち,左投げ左打ちに劣るが,左腕でボールを押し込む技術を修得すれば,本塁打と打点の二冠を獲ることが可能になるので,三冠王も否定できない.
  • 左投げ左打ちは,本塁打と打点の二冠が可能.打率では右投げ左打ちに劣るが,左打者の利を活かして首位打者を獲る可能性も否定できない.
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