首位打者の中に占める右投げ左打ちの割合は?
「右投げ左打ちの限界④-スラッガータイプと俊足好打タイプの役割分担」で,日本の野球界で2000年頃から右投げ左打ちの選手が増加傾向にあると推測しました.
2000年から2020年までの首位打者の投打別の人数と割合は次のとおりです.
セントラル・リーグ 首位打者 2000-2020 | ||
---|---|---|
投打 | 人数 | 割合 % |
右投右打 | 10 | 55.6 |
右投左打 | 6 | 33.3 |
左投左打 | 1 | 5.6 |
右投両打 | 1 | 5.6 |
合計 | 18 |
※引用元:ウィキペディア
パシフィック・リーグ 首位打者 2000-2020 | ||
---|---|---|
投打 | 人数 | 割合 % |
右投右打 | 3 | 17.6 |
右投左打 | 10 | 58.8 |
左投左打 | 3 | 17.6 |
右投両打 | 1 | 5.9 |
合計 | 17 |
※引用元:ウィキペディア
セリーグに比べてパリーグの方が右投げ左打ちの打者の割合が大きくなっています.
1999年以前と2000年以降のデータの比較
「右投げ左打ちの限界④-スラッガータイプと俊足好打タイプの役割分担」で述べたように、右投げ左打ちの打者は2000年頃から次第に増加しているようです.
2000年以降のデータを調べ,1999年までのデータと比較してみます.
割合 %
セントラル・リーグ 首位打者 右投左打の割合 1950-1999年と2000-2020年との比較 | ||||
---|---|---|---|---|
1950-1999 | 2000-2020 | |||
投打 | 人数 | 割合 % | 人数 | 割合 % |
右投右打 | 21 | 41.2 | 10 | 55.6 |
右投左打 | 11 | 21.6 | 6 | 33.3 |
左投左打 | 17 | 33.3 | 1 | 5.6 |
右投両打 | 2 | 3.9 | 1 | 5.6 |
合計 | 51 | 18 |
※引用元:ウィキペディア
パシフィック・リーグ 首位打者 右投左打の割合 1950-1999年と2000-2020年との比較 | ||||
---|---|---|---|---|
1950-1999 | 2000-2020 | |||
投打 | 人数 | 割合 % | 人数 | 割合 % |
右投右打 | 22 | 43.1 | 3 | 17.6 |
右投左打 | 11 | 21.6 | 10 | 58.8 |
左投左打 | 17 | 33.3 | 3 | 17.6 |
右投両打 | 1 | 2.0 | 1 | 5.9 |
合計 | 51 | 17 |
※引用元:ウィキペディア
2000年から2020年までに首位打者を獲得した選手のなかで,右投げ左打ちの打者が占める割合は,セリーグが33.3%,パリーグが58.8%となっています.
1950年から2020年までの数字と比較すると,セリーグが27.7→33.3%(5.6%増加),パリーグが30.4→58.8%(28.4%増加)となります.
セリーグでは,右投げ左打ちの打者が占める割合はそれほど増加していませんが,パリーグでは首位打者の60%近くを右投げ左打ちの選手が占めていることになります.
元々,少年野球の指導者が勝利至上主義のために右投げ右打ちの選手を左打ちに変えたことが,右投げ左打ちの選手が量産された端緒になっているのですが,右投げ左打ちの選手が多いことが勝利に結びつくということであれば,右投げ左打ちの選手が多いパリーグがセリーグよりも強いといわれるのは,あながち間違ってはいないと考えられます.
最近の首位打者の傾向を読みとる
セントラル・リーグ 首位打者 2010-2020 ※赤字は右投げ左打ち | |||
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年度 | 選手 | 投打 | 打率 |
2010 | 青木 宣親 | 右投左打 | .358 |
2011 | 長野 久義 | 右投右打 | .316 |
2012 | 阿部 慎之助 | 右投左打 | .340 |
2013 | トニ・ブランコ | 右投右打 | .333 |
2014 | マット・マートン | 右投右打 | .338 |
2015 | 川端 慎吾 | 右投左打 | .336 |
2016 | 坂本 勇人 | 右投右打 | .344 |
2017 | 宮崎 敏郎 | 右投右打 | .323 |
2018 | ダヤン・ビシエド | 右投右打 | .348 |
2019 | 鈴木 誠也 | 右投右打 | .335 |
2020 | 佐野 恵太 | 右投左打 | .328 |
※首位打者11人のうち,右投げ左打ちの選手が占める割合は36.4% ※引用元:ウィキペディア | ※太字は右投左打
パシフィック・リーグ 首位打者 2010-2020 ※赤字は右投げ左打ち | |||
---|---|---|---|
年度 | 選手 | 投打 | 打率 |
2010 | 西岡 剛 | 右投両打 | .346 |
2011 | 内川 聖一 | 右投右打 | .338 |
2012 | 角中 勝也 | 右投左打 | .312 |
2013 | 長谷川 勇也 | 右投左打 | .341 |
2014 | 糸井 嘉男 | 右投左打 | .331 |
2015 | 柳田 悠岐 | 右投左打 | .363 |
2016 | 角中 勝也 | 右投左打 | .339 |
2017 | 秋山 翔吾 | 右投左打 | .322 |
2018 | 柳田 悠岐 | 右投左打 | .352 |
2019 | 森 友哉 | 右投左打 | .329 |
2020 | 吉田 正尚 | 右投左打 | .350 |
※首位打者9人のうち,右投げ左打ちの選手が占める割合は77.8% ※引用元:ウィキペディア | ※太字は右投左打
2010年から2020年までに首位打者を獲得した選手のなかで,右投げ左打ちの打者が占める割合は,セリーグが36.4%,パリーグが77.8%となっています.
セリーグは,2000年から2020年までの33.3%から3.1%の微増で,1950年から2020年までの27.7%と比較しても僅か8.7%の増加に止まっています.
パリーグは,1950年から2020年までの割合30.4%から77.8%に大幅に増加しており,2012年から9年連続で右投げ左打ちの選手が首位打者を獲得しています.
活躍している右投げ左打ちの選手の数に開きがあることが,パリーグとセリーグの格差を生んでいるという見方もできます.
右投げ左打ちが増えると三冠王が出現しない
今後も少年野球の指導者が,勝利至上主義のために右投げ左打ちの選手を量産し続ければ,右投げ左打ちの選手が首位打者のタイトル独占することになりかねません.
そうなると,右投げ右打ち,左投げ左打ちの選手が本塁打と打点の二冠を達成しても,首位打者のタイトルを獲ることができないため,三冠王を達成できる可能性は非常に小さくなります.
ただし,セリーグはパリーグに比べて俊足巧打タイプの右投げ左打ちの選手が少ないようなので,現状ではセリーグのほうが三冠王を獲ることができる可能性が大きいといえます.
投打別のタイトルを獲得できる可能性 | ||||
---|---|---|---|---|
投打 | 打率 | 本塁打 | 打点 | |
右投右打 | △ | ○ | ○ | |
右投左打 | 俊足好打タイプ | ○ | ✕ | ✕ |
スラッガータイプ | ○ | △ | △ | |
左投左打 | △ | ○ | ○ | |
右投両打 | ○ | ✕ | ✕ | |
を最後に三冠王は出ていない. | ※2004年の松中信彦選手(打率.358,本塁打44,打点120)
- セリーグはパリーグに比べて首位打者のタイトルを獲っている右投げ左打ちの選手が少ないため,セリーグのほうが三冠王を獲ることができる可能性が大きい.
- 三冠王に最も近いのは,左投げ左打ちの打者,右投げ左打ちのスラッガータイプの打者の順となる.
- 右投げ右打ちは,本塁打と打点のタイトルを狙えるが,打率では右投げ左打ちに劣るため,首位打者を獲る可能性は小さい.
- 右投げ左打ちのスラッガータイプは,首位打者を獲ることが可能.長打力では右投げ右打ち,左投げ左打ちに劣るが,左腕でボールを押し込む技術を修得すれば,本塁打と打点の二冠を獲ることが可能になるので,三冠王も否定できない.
- 左投げ左打ちは,本塁打と打点の二冠が可能.打率では右投げ左打ちに劣るが,左打者の利を活かして首位打者を獲る可能性も否定できない.