作られた左打者の重大な欠点
「右投げ左打ち」の本塁打が激減。
統一球が変えたプロ野球のトレンド。
posted2011/11/05 08:02
本来「右投げ左打ち」は理想的なHRアーチストではない!?1950(昭和25)年の2リーグ分裂以降、パ・リーグでは33人、セ・リーグでは36人の本塁打王が誕生し、そのうち右投げ左打ちはパがL・リー、マニエル、ブライアント、ニール、小笠原道大の5人、セが掛布雅之、バース、ハウエル、松井秀喜の4人しかいない(スイッチヒッターは除く)。もちろん、右投げ左打ちは比較的新しい「思想」だったため、昔にさかのぼるほどその数は少なくなる。
右投げ右打ち、あるいは左投げ左打ちの最大の特徴は、利き手が“後ろ手”になっていることである。つまり、ボールとバットが衝突(インパクト)するとき、利き手で押し込むことができる。これは本塁打を確実に打つ理想的な打ち方と言っていい。
しかし、右投げ左打ちは利き手が“前手”になっているのでそれができない。前手はバット操作のための操縦桿と言ってよく、それを利き手で操れる右投げ左打ちはヒット量産型の理想と言ってよく、当然チャンスメーカータイプに多く、ホームランバッターは少ない。
引用元:https://number.bunshun.jp/articles/-/169288
引用文に述べられているように,インパクト後,両腕を伸ばしてボールに力を伝える際に,右投げ左打ちの打者は利き腕でない左腕を用いるため,ボールを強く押し込むことができないというデメリットがあります.
左腕と右腕を比べると,右腕はバットに当てる要素が大きく,実際にボールに力を伝えるのは左腕の比重が大きくなります.
このインパクト後,左腕を強く伸ばしてボールに力を伝えることができない点が,右投げ左打ちの最大の欠点であり,長打を打つことにおいては致命的といえます.

引用元:科学する野球・ドリル編,p.160,図①
投球動作を打撃動作に応用できない
右投げ右打ち,左投げ左打ちの場合,金田,江夏,堀内投手のように投手でありながら打撃にも秀でていることは珍しくありませんが,これは投球動作と打撃動作で動作が共通しているところが多いためです.
どちらもステップによる前方移動の運動エネルギーを利用して,前足着地後,前脚の膝関節を伸展して下肢のエネルギーを体幹,上肢へと伝え,腕の振り,スイングを加速させていきます.
投手はテイクバックでトップでのボールの位置をなるべく背面後方側に保って,肘を先行させて投げますが,打者はバックスイングでトップでのグリップの位置をなるべく背面後方側に保って,肘を先行させて打ちます.
どちらの動作も腕,バットをしならせるための共通の動作になります.つまり,好投手は打撃でも投球動作を応用して強い打球を打つことができるわけです.
右投げ左打ちの選手は左投手としての投球動作を完成しているわけではないので,左投げ左打ちの選手のように腕を振る感覚でバットを振るということができません.
右投げ左打ちとしてやっていくためには,左投げ左打ちの選手と同じ動作を身につける努力をするか,新たに右利きの打者が左打ちでボールを強く打てる方法を考えて,その動作を修得するしかなくなります.
しかし,左投げ左打ちの選手と同じ動作を身につけようとしても,作られた左打者ではどうしてもインパクトのときに利き腕でない左腕を強く伸ばす動作が不十分となるため,ボールに力を伝えることができません.
つまり,右投げ左打ちの長距離打者が出現する可能性は極めて小さいといえます.
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=I5sN96wwV4I
脊柱を回転軸にして,コマのように回転して打つことを意識している掛布雅之選手.
作られた左打者は,インパクトの際に,左腕(非利き腕)でボールを押し込むことができないため,新たな打ち方を模索しなければならない.

体の中心の仮想の回転軸で回転して打つことを意識しているため,フライング・エルボーの構えになっていない
引用元:科学する野球・打撃篇,p.89,写真26