新田打法で打つ大谷選手
『「科学する野球」野球とゴルフの違い-新田打法では飛ばぬ』で述べたように,『 新田打法 』ではバットのタメができないため,ボールを強く打つことは難しくなります.
つまり,ゴルフのスイングで野球のバッティングをすること自体が間違っているということです.
「科学する野球」の著者である村上豊氏は 『 新田打法 』 を完全否定し,「バッティングもゴルフもレート・ヒッティングすることにおいては,本質的には同じであっても,特に球の条件が違いますので,その打撃動作には両者に違いがあることを認識され,野球もゴルフも同じであるとか,ゴルフも野球も同じであるとかといった妄言は慎んで欲しいものです」と述べています.
画像は2018年7月23日に8号ホームラン(2シーム 93.5mph,センター方向 )を打ったときのインパクトです.バットのタメを判断しやすくするため,センター方向に飛んだホームランを選んでいます.
画像を見てもわかるように,大谷選手は肩が回っていないままボールを打っています.
この打席だけではなく,2018~2020年のホームランでもほぼ全打席が肩を回さないゴルフ・スイングになっています.
本来ならば,この肩の開き具合では,まだバットは後ろにタメられていなければなりません.
このようなゴルフ・スイングでは打てないはずですが,2018,2019年にある程度打てた理由については,体格の大きさから運動エネルギーが大きくなることの他に,空手打法で打っていること,「人」の形で打って下肢のエネルギーをうまくスイングの加速に取り込んでいることにより,バットのタメがないマイナス面をカバーしていることが考えられます.
ただし,『新田打法』のゴルフ・スイングで野球をすることが間違っているという前提に立てば,2018,2019年はたまたま打てたけれども,今後もこのスイングを続けて行けば,多少の変動はあるとしても2020年の成績あたりで推移すると考えることもできます.
新田打法(ゴルフスイング)が否定される理由
新田打法(ゴルフスイング)で打ってはいけない理由は次のとおりです.
新田打法(ゴルフスイング)で打ってはいけない理由
- ボールを強打するためには,後ろ腕でボールを押し込むことが必要.
- 後ろ腕でボールを強く押し込むためには,打球線(弾道)に対して肩とバットを90°に交わらせなければならない.
- 肩を回さなければ,2を実現できない.
以上の理由により,肩を回さない新田打法(ゴルフスイング)は否定されることになります.
打撃の王道を行くケン・グリフィー・ジュニア選手
肩を回さないゴルフスイングの大谷選手に対し,ケン・グリフィー・ジュニア選手は肩を回し,バットをタメて打っています.
両選手の画像を比較すると,大谷選手は肩が回っていないのに,すでにインパクトしています.一方,グリフィー選手は大谷選手よりも肩が回っているのに,バットはまだ後方にタメられています.
大谷選手は肩を回さないので,インパクトで顔が下向きになります.グリフィー選手は肩を回し,インパクト前でも顔は前を向いています.
グリフィー選手の打撃動作は,「科学する野球」の中心衝突を実現できる正しい動作といえますが,大谷選手の打撃動作は,打撃の王道から外れた特殊,変則的な動作と位置づけされます.
つまり,大谷選手の打ち方では一流の成績は残せないと推測されます.
ゴルフスイングで成績を残す大谷選手
大谷選手は,2024年シーズン残り3試合で,打率.305、53本塁打、126打点をマークしています.本塁打,打点の二冠は確実で三冠王を達成する可能性があります.
「大谷選手の打ち方では一流の成績は残せない」という推測しましたが,推測は外れ,大谷選手は三冠王に手が届くかという活躍をしています.
大谷選手がゴルフスイングでなぜ打てるのかについて,記事を載せていますので,興味のある方はご覧ください.