「科学する野球」では,肩を回さずに打つゴルフスイングは完全否定されています.しかし,大谷選手は2023年度に打率.304,本塁打44,打点95の成績を残しました(試合数は135と少ない).
MLBで大谷選手と同様にゴルフスイングで打っている打者はいないか探したところ,フレディ・フリーマン選手が見つかりました.
選手情報
- 身長:約195.6 cm,体重:約99.8 kg
- 右投左打
- 2007年のMLBドラフト2巡目(全体78位)でアトランタ・ブレーブスから指名されプロ入り。
- 2010年9月1日のニューヨーク・メッツ戦でメジャーデビュー。9月21日のフィラデルフィア・フィリーズ戦で、ロイ・ハラデイからメジャー初本塁打を放った。
- 2016年は6月15日のシンシナティ・レッズ戦でサイクル安打を達成した。
- 2021年8月18日のマイアミ・マーリンズ戦で2度目のサイクル安打を達成。
- 2023年5月18日のカージナルス戦の6回にヘネシス・カブレラから満塁本塁打を記録し、通算300本塁打を達成した。
- 2023年6月25日のアストロズ戦でラファエル・モンテロから通算2000本安打を達成した。
- 1885試合,2114安打,打率.301,本塁打321,打点1143(MLB14年)
引用元:ウィキペディア
グリップの位置が高く,体から離れる
大谷選手とフリーマン選手の構えを比較します.
両選手に共通していることは,グリップの位置が高く,体から離れていることです.すぐにワキを締めることができるグリップの位置になっていません.
MLBではほとんどの選手がグリップを体に近付けるので,フリーマン選手のようなグリップを高く離す構えはほぼ見られません.
肩を回さないようにするためには,グリップの位置をなるべく捕手側に保っておく必要があります.そのためには,このようにグリップを高く構えるほうが都合がよいと考えられます.
インパクトで肩が回らず顔が下を向く
肩が回っているかどうかは,画像の角度によります.
フリーマン選手の画像はインパクト後であるため,インパクト時ではもう少し肩は回っていないはずです.顔の向きはゴルファーと同じく下を向いています.
MLBでも大谷選手と同じゴルフスイングで打っている打者がいることが確認できます.
「人」の形で打つ
「人」の形で打っているところも両者に共通しています.打球の方向にもよりますが,フリーマン選手のほうがインパクト後,両腕が伸びる傾向があります.
フリーマン選手は右投げ左打ち
ゴルフスイングで打っているのは大谷選手だけではありません.MLBでもフリーマン選手がグリップを高くした構えから肩を回さずに快打を飛ばしています.
そして,両選手に共通していることは右投げ左打ちである点です.
両選手が右投げ左打ちであることから,右投げ左打ちの打者特有の「後ろ腕でボールを押し込むことができない」という欠点をカバーするために,ゴルフスイングが編み出されたと考えて間違いありません.
奇しくも大谷選手とフリーマン選手はドジャースでプレーすることになりました.打順によってはゴルフスイングの打者が二人続くことになります.