「科学する野球」フック・グリップで構えるとワキが締まる

2020年11月28日 10:42 PM

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脇は締めるのではなく空手打ちで締まる

 「科学する野球」では,空手打法,フックグリップ,トップハンドの掌屈,ボトムハンドの背屈などの関係が意味的に統合されていないので,わかりにくくなっているところがあります.

 「科学する野球」の実践篇に脇は締めるのではなく,空手打ちで締まるという記事がありますので,紹介します.

脇は締めるのではなく,空手打ちで締まる
 このように,脇が空いてはいけないといって,バッティングのはじめから終わりまで脇を締めさせると,手や腕は自由に使えないし,肩にも力が入ってしまい,バッティングになりません.

 ところが,図127,128のように,インパクトで両脇が締まるのは,トップハンド側の手と腕は外捻し,ボトムハンド側の手と腕は内捻しているからなのです.このようにインパクトで両脇が締まると,手や腕はボディとワン・ピース(一体化)となり,インパクトでの衝撃をはねかえして強打することができます.意識して両脇をことさらに締めてみると,肩に力が入り,手や腕の力が分散して強打することができません. 

引用元:科学する野球・実践篇,pp.193-194
引用元:科学する野球・実践篇,p.194,図127,128

 引用文の中に,「図127,128のように,インパクトで両脇が締まるのは,トップハンド側の手と腕は外捻し,ボトムハンド側の手と腕は内捻しているからなのです」とありますが,外捻とは回外のことで,手の平が上を向くように回すことで,内捻とは回内のことで,手の甲が上を向くように回すことです.

引用文の黄色マーカー

後ろ肘のかい込みを行うときに,

  • トップハンド側の前腕と手が回外
  • ボトムハンド側の前腕と手が回内

しないと,脇は締まらない.

引用元:https://www.study-channel.com/2015/06/ROM-upper-limbs.html

 そこで,脇は締めるのではなく,締まるのでなければならないのだが,それには構えのときのバットの握り方が重要で,この点からも,バットを雨傘をさすような感じで握ってはならないのです.インパクトで両脇が締まるのは, 図127,128のように 空手で打っているからで,そのためにはバットをフック・グリップ(写真80)で握らなければならないのです.

引用元:科学する野球・実践篇,p.194

 上の引用文では

  • フック・グリップで握るから空手打ちができる
  • 空手で打っているからインパクトで両脇が締まる

 ということが書かれています.

フック・グリップで握るから空手打ちができる

 「科学する野球」のフック・グリップで握るとは,写真80のようにゴルフのアドレスでバットを握ることをいいます.写真80ではトップハンド,ボトムハンドともにバットの真ん中の板目と平行になるように握ることができます.

引用元:科学する野球・実践篇,p.195,写真80

 しかし,ここで次のような問題が出てきます

  • ゴルフのフック・グリップの握りを崩さずに構えようとすると,ワキを締めた窮屈な構えとなりフライングエルボーで構えることができない
  • フライングエルボーで構えると,ボトムハンドを板目と平行に握ることができなくなる

 ボールを押し込むのは後ろ腕なので,トップハンドを板目と平行に握ることができれば問題ないのですが,「科学する野球」では両手とも板目と平行に握ることになっています.

 図127,128を見ればわかるように,ボトムハンドを板目と平行に握るのは無理があります.構えでボトムハンドを背屈(手の甲側に曲げる)しているとこのようになります.

 「空手打法」のフックグリップについては,次のように考えていただければと思います.

  • ゴルフのフックグリップのまま野球で構えることはできない
  • フライングエルボーで構えると,ボトムハンドをバットの板目と平行に握ることができない
  • ボールを押し込むのは後ろ腕なので,トップハンドがバットの板目と平行に握られていれば問題ない

空手で打っているからインパクトで両脇が締まる

 「科学する野球」では,空手で打つということを「トップハンドをバットの真ん中の板目と平行に握って打つ」という意味ではなく,「トップハンドを掌屈,ボトムハンドを背屈して打つ」という意味で使っています

 確かにバックスイングからトップハンドを掌屈,ボトムハンドを背屈すれば,後ろ肘をかい込むことができるので脇が締まり,肘を先行させてバットのタメをつくることができます.

 しかし,トップハンドを掌屈すると,「スナップ打法」となり,「空手打法」で打ちづらくなるため,「空手打法」で打つことを優先するならば,トップハンドは掌屈も背屈もしない握りにしておく必要があります.

 トップハンドをバットの板目に平行に握って空手で打つことができるのであれば,構えでトップハンドを掌屈しても背屈しても問題ありません.

 「科学する野球」の空手打法とフックグリップは非常にわかりにくい内容になっています.「空手打法」につていくつか記事を書いていますので,興味のある方はご覧ください.より理解しやすくなるかと思います.

  • 「科学する野球」「空手打法」の根拠 2022年1月1日
  • 「空手打法」のバットの握り方-フックグリップで握る 2022年1月10日
  • 「空手打法」で打つにはどうすればよいのか? 2021年12月11日
  • 「空手打法」の正体-トップハンドをスイングの軌道に合わせて打つだけ 2021年12月11日
  • 「科学する野球」「空手打法」の問題点 2021年12月14日
  • 「科学する野球」では「空手打法」と「スナップ打法」が混同されている 2021年12月14日
  • 「空手打法」と「スナップ打法」の違い 2021年12月14日
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